少し前に、オノ・ヨーコさんの「Bless」のストーリーを聞きました。
Blessとは「祝福を」という意味で、神の祝福がありますようにという祈りの言葉です。
最愛の夫であるジョン・レノンが暗殺され、隣にいて自分も暗殺未遂という目に逢った彼女が数カ月間ふさぎこんでいた時、彼女は「Blessの力を使った」のだそうです。
苦しい心理状態の中、彼女は様々な人のためにBlessを唱えるのですが、なぜか自然と暗殺者や彼女を誹謗中傷していた人たちの名前ばかりが出てくる。
そうやって憎しみや怒りを感じる相手に、何日もひたすらBlessを送り続けたところ、どういうわけか彼女の中の憎しみや怒りが少しずつ治ってゆき、苦しみが軽くなっていったと言います。
この話を読んだほんの数日後、あまり複雑ではない私の人間関係にも、ちょっとしたトラブルがやってきました。お客さまの女性があるきっかけで突然感情的になり、私に強い言葉と態度でそれをぶつけて来たのです。
かなりお年の方なので、頑固なところや、ちょっと問題だなと思うところ(小さな嘘とか)はいろいろあったのですが、それでもなんとか信頼関係を築いて来たつもりでした。他の人よりも多く時間を割いて、心も割いて…なのにどうして?とショックでした。
この時は「もう今後はお断りしよう」と思い、とにかく既に入っていた2回の予約はきちんとこなそうとも決め、気持ちが重いまま1度目を消化。2度目はその翌日だったのですが、その日の朝にこの「Bless」を試してみることにしました。
30分ほどの通勤中、ひたすら「Bless XXさん、Bless XXさん」と心の中で唱えているうちに、重たかった気持ちが少しずつ楽になっていることに気づきました。夕方、予約の時間にまだ頑なな態度のままの彼女がやって来ましたが、私はとてもやわらかい気持ちで彼女に接することができました。
完全に心を許せたわけではないけれど、それでも私自身のしんどさは、すっかりなくなっていました。その上、なんと彼女の方から「ごめんなさい」と謝ってきてくれたのです。本当に不思議…。
ついでに、これまで嫌っていた人たちや、怒りの対象になっていた人たちについても「Bless」を唱え、直接知らないニュースで知った事件の犯人や、腹立たしい政治家などにも同様に「Bless」を送りました。
現実の事態は何も変わらないかもしれないけど、憎しみの念を送るよりも、Blessを送る方が世界の”気”は良くなる気がする。それにもしかしたら、彼女の気持ちが変わったように、なにか変化が起こるかもしれない。「祈りの力は侮れない」と聞いたことがありますが、好きな人や大切な人への祈りだけでなく、良くは思えない人たちへの祈りにも、きっとパワーがあるはず。
すくなくとも、もし次に腹の立つことがあっても、私にはこの「Bless」の力があるなと安心です。こんなにシンプルでパワフルなレスキューに出会えて良かった!
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